2013年(平成25年)


方丈記覚書二十七 二〇一二年度中世文学会秋季大会
れぎおん80号2013年1月31日p2-7.
 二〇一二年十月二十七〜二十九日京都で行われた標記学会は、方丈記八〇〇周年行事の一環であり、方丈記及び長明関係のシンポジウムや研究発表、実地踏査などを含む催しであった。そこで行われた各種行事から、「長明の方丈庵復元」「方丈記における水と薪」「下鴨神社の考古学調査」「無名抄の執筆動機」「二松学舎大学磯水絵研究室発行『鴨長明 研究と資料』第一輯」「スタジオジブリの未完成映画『定家と長明』」という六つのトピックについて、紹介しコメントした。

方丈記覚書二十八 無名抄一
れぎおん81号2013年4月30日p2-7.
 長明の歌論書『無名抄』について、その基礎的事項として成立、題名、伝本・注釈書等、段の分け方について考察した。

伊勢物語における無常観
函館国語28号2013年11月16日p39-49.
 伊勢物語の9段、84段、125段が、中世の謡曲と早歌で無常を語るために引用されていることが指摘されているのに対して、伊勢物語そのものにおいてもそれらが無常を語っているのかどうかを検証。またそれら以外で人の死や老い、人間関係の変化を扱った段においてはどうかも検討し、同物語における無常観が、知ってはいても常日頃心にかけてはいないという程度の無常観であった事を確認した。