2009年(平成21年)


方丈記覚書十二 正治二年の歌合二
れぎおん64号2009年1月31日p2-7.
 土御門通親亭影供歌合正治二年十一月八日、石清水若宮歌合正治二年について考察した。前者は散逸歌合であり、長明がそこに参加して詠んだことは無名抄によって知られる。その記事、及び影供歌合というものについて、和歌大事典や上野順子の「正治・建仁期の影供歌合について―土御門通親を中心に―」(『和歌文学研究』67号一九九四年一月などを参考にした。後者については長明と敦房の五番勝負全てにつき、通親の判詞とともに考察した。

方丈記覚書十三 建仁元年の歌合一
れぎおん65号2009年5月1日p2-7.
 新古今撰集が下命された建仁元年の歌壇状況を概観した後、同年における長明参加の歌合二点について考察した。

方丈記覚書十四 建仁元年の歌合二
れぎおん66号2009年8月1日p2-7.
 建仁元年八月に行われた二つの歌合について考察。三日開催の和歌所影供歌合では、人物像が明らかになりにくい季景に対して若干有利という程度だったが、十五夜の選歌合では撰歌された四首が全て勝ち、うち三首は新古今に入集し、とりわけ「夜もすがら一人深山の真木の葉に曇るも澄める有明の月」は絶賛された。

方丈記覚書十五 建仁元年の歌合三
れぎおん67号2009年11月1日p2-7.
 和歌所影供歌合建仁元年九月と石清水社歌合建仁元年十二月廿八日について考察。前者には長明と署名された歌が二首しかないが、もう一首、作者名無しの歌が長明の歌であろうと推測。後者は端本で各歌人一首しか見出せない。計四首の長明歌は全て負け。その理由を考察した。