1977年(昭和52年)


「兼好自撰家集」考−その構成をめぐって−
国文学言語と文芸84号1977年6月1日p44〜60
 『兼好自撰家集』は雑纂と言われるが、実は兼好自身には密かな構成意図があったものと考えられる。同じテーマや四季の配列によって小歌群を構成し、各歌群は何らかの連想によって繋がれている。そこには連歌の影響や『徒然草』の配列との関連も考えられる。そうした見えにくいが特異な構成意識の存在を指摘した。