2000年(平成12年)


歌語「思ひけるかな」の考察(一)
人文論究69号2000年3月31日1〜12ページ。
 歌語「思ひけるかな」は単にかつて思ったことを詠嘆するだけでなく、そう思ったことが間違いだったという認識を示す表現である。が百人一首の藤原義孝詠をはじめ、間違いだったという認識を示さないものとして解釈されている例もある。そこでこの表現の意味的変遷を、新編国歌大観所収の523例によって辿ろうとする1回目の論文。今回は義孝詠の問題点と、国歌大観第1巻の問題ある例を探った。