1989年(昭和64年=平成元年)


稿本・八代集植物索引
人文論究49号1989年3月20日p19〜47
 『八代集の動植物一覧』から植物の部分を抜き出し、補訂して索引としたもの。これによって八代集の和歌に詠み込まれた植物名を全て検索できる。

兼好と宣長−その理想と現実−
国文学言語と文芸(大塚)104号1989年3月31日p75〜95
 本居宣長が「花はさかりに、月はくまなきをのみ見るものかは」と始まる『徒然草』137段をとりあげて批判したのは、従来「のみ」を見落とした誤解または曲解と考えられて来たが、宣長の言葉に対する意識の厳格さなどからそれは考えられず、これは理想主義者宣長と現実主義者兼好の対立であると述べた。またその理想と現実という基準によって、徒然草の新たな読みが可能であることを示唆した。