2012年(平成24年)


方丈記覚書 二十三 勅撰集入集歌 その三
れぎおん76号2012年1月31日p2-7.
 長明の勅撰入集歌のうち新拾遺・新後拾遺・新続古今の三集入集歌について考察。うち新拾遺入集歌は他に見えず、新後拾遺入集歌は十訓抄を典拠とすると考えられる。しかし当該歌は長明が後鳥羽院から和歌所への再伺候を命ぜられて断る歌であり、それは伝記的にありえず、長明の歌ではない可能性があることを述べた。なお千載集から新続古今集までの入集状況を概観し、私撰集その他への入集歌についての見通しを述べた。

方丈記覚書二十四 十訓抄
れぎおん77号2012年4月1日p2-7.
 新後拾遺集の典拠となったと考えられる十訓抄所収の長明とされる歌について、それが本当に長明の歌と考えてよいかどうかを検討。証拠不十分で断定は出来ないが、十訓抄の編纂態度、また家長日記に載る長明の和歌との比較から、心証としては長明の歌と考えてよいのではないかと述べた。

方丈記覚書二十五 長明の出家の時期と和歌所再伺候下命の可能性
れぎおん78号2012年7月31日p2-7.
 従来言われてきた長明の出家の時期の妥当性と、和歌所逐電後後鳥羽院から和歌所再出仕を下命された可能性があるか否かを検討した。前者については必ずしも決定的ではないがほぼ妥当であろうと結論。後者については結局可能性はあってもそれが史実かどうかは確定できないことを述べた。

方丈記覚書二十六 鴨長明とその時代『方丈記』八〇〇年記念展の図録について
れぎおん79号2012年10月1日p2-7.
国文学研究資料館で5月25日から6月23日まで開催された副題のような展示会に際して発行された図録について、紹介とコメントを行った。