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頓阿と道性
語学文学22号1984年2月29日p1〜9
頓阿の『草庵集』に登場する道性という歌人の伝記、その歌風、及び頓阿との交渉について考察した。道性は亀山院の皇子だが、母は不明、出生は謎に包まれ、親王にもなれぬまま僧籍に入った。そのためか初期の歌には誰かを恨む思いが窺われる。醍醐寺座主となるなど僧としては出世し、亀山院死後は素直に亡父を懐かしむ歌を詠んだ。頓阿の比較的若い時期に交渉のあった歌人であった。