1980年(昭和55年)


『後普光園院殿御百首』の諸本
和歌文学研究42号1980年4月30日p47〜56
 観応3年(1352)に頓阿・慶運・兼好が合点して成立した二条良基の百首和歌『後普光園院殿御百首』は、従来『続群書類従』所収本によって知られていたが、同本は2首を欠く末流伝本である。そこで現存する20本を調査したところ、大部分は百首揃っており、それらが初稿本・再稿本・混成本の3系統に分類できることがわかった。その分類方法や転写経路について説明・推測した。

校本・二条良基観応百首二類本
研究と資料3輯1980年6月30日p39〜51
 『後普光園院殿御百首』の名で知られている二条良基の百首和歌は、その諸本調査により初稿本と、頓阿・慶運・兼好の合点に基づいて推敲された再稿本があることがわかった。そこで従来翻刻されていなかった再稿本を翻刻し、同系等の諸本、及び比較のために初稿本との校異を掲げた。